東京地方裁判所 昭和43年(ワ)1115号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕<証拠>によれば、原告は昭和四二年一〇月二〇日に日本赤十字社中央病院において脳波に軽度の異常があり数ケ月後に脳波再検査を要する旨の診断がなされたことが認められ、示談成立の同年一一月一六日当時としては原告は或る程度の後遺症は当然予測すべきであつたことが認められる。ところで、<証拠>によれば、原告は主訴が誇大であるし、昭和四三年一〇月二八日の検査では脳波は正常であつたことが認められる。右事実によれば、示談当時予想できなかつた後遺症が生じたものとは到底認められず、本件全証拠によつても、予想できなかつた後遺症が生じたことは認められない。したがつて、要素の錯誤は認められない。
以上の事実によれば、原告と被告両名との間の前記示談は有効であり、原告は示談で定められた金額以上の損害賠償請求権を有しない。(篠田省二)